「マジすげぇ超うまい。」
がつがつと部活後の運動部員のようなスピードで、テーブルの上の夕飯を平らげていく葉佩。皆守は自分でも気付かないくらいに少し微笑った。
しかしその顔も、すぐに寂しげな笑いに変わってしまう。
「こんな風に誰かと夕飯食うの、久し振りだ。」
「親、忙しいのか?」
「さぁ。…いつも居ない。」
「そっか、俺と同じだ。俺いっつもインスタントかコンビニ飯。…なぁ、お前ん家いつも親居ないんだろ?」
「うん。」
「じゃあ俺たまにここ来て飯食っていい?」
「は?」
「だって一人つまんねぇもん。家の人居ないなら別にいいだろ?食費なら半分もつし。」
「…いい、けど」
「マジ?やった!」
「つか、お前その話でいくと…いっつも飯、そんななのか?」
「だって俺料理作れないし。
昼飯もコンビニか学食だろ?
おかげで新製品には強いんだぜ。」
そうだ。葉佩は一人暮らしなのだ。
こいつはいつも笑っているから、一人ってことが思い付かない。
料理、出来ないのか。
でも普通に考えたら中学生で一人暮らしなんて有り得ない事だし、料理が出来なくても仕方ない。
そんな事をつらつらと考えていたら、勝手に言葉が口からすべりでていた。
「…昼飯、どうせだったらお前の分もつくってやってもいいけど。二つ分にするだけだから、簡単だし。」
「マジで!?つかお前あれも手作りだったのかよ!いつもうまそうな弁当食ってんなーとは思ってたけど。」
「味は、その、俺好みになってるから補償出来ないけど。」
嬉しかったんだ。こいつがすごく美味しそうにご飯をたべるから。
すごく久方振りに、人と話しながらの夕飯なんてしたんだ。
なんだか懐かしくて、少し泣きそうだった。絶対泣かないけど。
「全然オッケィ!こんなうまい飯つくれんならばっちりだろ!お前もう俺に嫁げよ!幸せにしてやるから!!」
「ば、馬鹿か!つか誰が嫁だっつの!」
「じゃあ俺が婿入りする。」
「変わってねぇよ!てかそうじゃねぇだろ!!」
「…あー、食い過ぎたー」
「ホントにお前は食い過ぎだ」
明日の弁当のおかずまで食い尽くされるところだった。などとぶちぶちこぼすが、言われている当人は満面の笑み。
そして結局は自分も笑ってしまうのだ。
「じゃあまた明日な」
「ん。」
「愛妻弁当楽しみにしてんぜ?」
「あほか」
「はは、んじゃおやすみ。」
「おやすみ。」
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ア□マのほっとけないでつい世話やいちゃう症候群発病。
段々トレハンが調子に乗り始めました。